京都工芸繊維大学

3-1. 地球温暖化とバイオエタノール

 長期的に地表の温度が上昇し、地球温暖化が進んでいます。二酸化炭素のように大気圏で地表からの赤外線を吸収する働きのあるガスを温室効果ガスと呼びますが、なかでも二酸化炭素の地球温暖化への寄与率が大きいといわれています。人類は多量の化石燃料(石炭・石油・天然ガス)を燃焼してエネルギーを獲得し、固定されていた炭素を二酸化炭素の形で大気中に放出し続けています。特に最近50年間の化石燃料の著しい消費のために大気中の二酸化炭素の濃度が急上昇し、地球温暖化の問題が顕在化してきています。

 そこで、大気中の二酸化炭素の量を減らそうとする取り組みが行われています。そのひとつが、ガソリンの一部をバイオエタノールに置き換え、化石燃料の使用量を減らし、二酸化炭素の発生量を減らそうとする取り組みです。カーボンニュートラルの考えに基づくと、植物資源(バイオマス資源)をアルコール発酵させ得られる“バイオエタノール”の利用によって、二酸化炭素の排出量を減らすことができます。

 デンプンや糖を原料にバイオエタノールを生産しようとすると原料のトウモロコシやサトウキビが食糧でもあるため、世界的な食糧価格の高騰につながります。そこで、食糧とはなり得ない、木質バイオマスを原料にバイオエタノールを生産しようという取り組みが世界的に行われています。

 私たちの研究室では、農林水産省から委託を受けて、未利用木質バイオマスからバイオエタノールを生産する技術の開発に取り組んでいます。

地球温暖化とバイオエタノール