研究テーマ: 2012年度
2012年度
2013年度
2014年度
2015年度
2016年度

研究テーマの概要

 本研究室では,アルミ合金,チタン合金,ステンレス鋼,複合材料などの先端材料およびその表面改質材・接合材等の組織形態や強度の評価を実験的に行います.なお,2012年度には下記の研究を実施予定です.

Key Words: アルミ合金,チタン合金,ステンレス鋼,複合材料,表面改質,接合,組織,強度,疲労,転位


 2012年度の研究テーマは,以下の通りです(最後まで,お読みください).

最終処理としてDLC(diamond-like carbon)被覆した金属材料の摩耗特性,
機械的性質および疲労強度


概要説明図

【概 要】  DLC被覆を行うと,金属材料のしゅう動性および耐摩耗性は著しく改善されます.特に摩擦係数の低減は顕著で,この方法をしゅう動部に適用すると,機械製品の効率は飛躍的に向上します.一方,しゅう動部品等は曲げ荷重を受ける場合が多く,安全性の保障上,機械的性質や疲労特性に関する研究は重要です.なぜなら,DLC層の破壊限界はその層自体だけではなく,母材部の強度水準に著しい影響を受けるからです.以上の観点から,本研究では予めプラズマ処理により母材部を強化した後に各種の高性能DLC層を形成させた場合について,耐摩耗性,機械的性質および疲労強度について詳細に検討を行います.

【説 明】  この研究は,表面処理関連の企業との共同研究です.卒研生は,修士2年生の指導の下で研究を行います.

【習得できる能力】  最新のDLC被覆技術だけでなく,金属材料の表面強化処理とその現状に関する知識が習得できます.

冷間圧延したチタン合金の微視組織と疲労特性


チタン合金冷間圧延材の微視組織

【概 要】  本研究では,新α+β型チタン合金およびβ型チタン合金に,冷間圧延および時効処理を施した際の,機械的性質や疲労特性の変化について詳細に検討します.基礎的研究ですが,工業的に非常に重要な研究です.

【説 明】  この研究は,大手素材メーカーとの共同研究です.卒研生は,直接,教員の指導の下で研究を推進します(修士1年生がサポートします).研究テーマ中,最も忙しい研究ですので,実験が好きで地道に努力できる学生諸君向けです.

【習得できる能力】  チタン合金の組織制御に関する基礎知識が習得できます.顕微鏡の”王様”である透過型電子顕微鏡やEBSD装置の原理などが理解できます.

チタン合金製小径パイプの組織形態と強度評価


小径パイプのIPFマップ

【概 要】  本研究では,世界に先駆けて日本の企業が開発したチタン合金製小径パイプに関し,微視組織や機械的性質等について詳細に検討します.

【説 明】  この研究は,機械加工メーカーとの共同研究です.卒研生は,修士1年生の指導の下で研究を行います.

【習得できる能力】  チタン合金の冷間・温間加工に関する基礎知識が習得できます.また,金属学で必須のEBSD法や極点図等が理解できます.



小径パイプの集合組織

極短時間熱処理によるTI-6AL-4V合金の高疲労強度化

極短時間熱処理材の微視組織
(TEM観察結果)

【概 要】 本研究では,世界的に使用されているα+β型チタン合金Ti-6Al-4V(米国チタン市場の56%はこの合金)に,本研究で開発された極短時間2段階熱処理を施し,同合金の飛躍的な疲労強度の向上を目指します(Impact大).
 目的が達成されれば,生体医療材料の大幅な軽量化がなされ,人体への影響を最小限にすることができます.なお,熱処理媒体には低融点の金属であるLIを使用します.

【説 明】 この研究は,熱処理関連のベンチャー企業との共同研究です.卒研生は,修士1年生の指導の下で研究を行います.

【習得できる能力】 チタン合金の組織制御に関する基礎知識が習得できます.また,透過型電子顕微鏡の原理などが理解できます.

研究チーム

  1. 最終処理としてDLC(diamond-like carbon)被覆した金属材料の摩耗特性機械的性質および疲労強度: 修士2年+卒研生

  2. 冷間圧延したチタン合金の微視組織と疲労特性: 教員+卒研生

  3. チタン合金製小径パイプの組織形態と強度評価: 修士1年+卒研生

  4. 極短時間熱処理によるTI-6AL-4V合金の高疲労強度化: 修士1年+卒研生

重要事項

 当研究室は,卒業研究に留まらず,共同研究を教員とともに実施してくれる学生を強く求めています.学生諸君と「真に」研究し,新たな世界を築きたいと思います.HPだけでなく,発表会に参加して,自分の目で研究室,教員あるいは研究テーマが「あう」,「あわない」を判断して下さい.なお,学部生諸君には本学大学院への進学をお勧めします.


Copyright(C)2011 Fracture & Strength of Advanced Materials Lab. All Rights Reserved.