記 事: SPring-8の一日
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SPring-8の一日

report  

横山晴紀,大友隆行(研究室1期生)

SPring-8とは?

 
世界でも最高レベルの放射光を発生することのできる大型研究施設で,幅広い分野で物質の分析・解析を行っている。建物は円形状になっておりその中を通っている蓄積リング内を電子ビームが周回し,48あるビームラインに必要に応じて放射光を送るようになっている。48のビームラインはそれぞれ研究分野が異なり我々が今回使用したのはBL13XU・表面界面構造解析というビームラインである。

 JR相生駅を降り、そこからバスに乗り換え30分ほどで到着する。おぉ‥!! 明日からここで研究をするのだと思うと、身が引き締まると同時に少し興奮した。到着したのは夕方で辺りは薄暗く、この日は食事をとったあとみんなでお酒を飲んで早々と就寝(俺だけかも?)


 朝だー!! 天気は‥・よくない。運悪く台風が接近しているらしい。今日からは明日の朝まで休みなく徹夜で研究を行う。昨日早く寝たので睡眠はばっちりだ。

 まずは講習ビデオを見て注意事項の確認。そしていよいよ研究棟の中へと入る。各人自分の顔写真のはいったカードキーを渡されていて、私はそれを首から下げることを誇らしく感じた。あともう一つからだに身に付けないといけないものがあって、それは実験者がどのくらいのX線の照射を受けたか調べるもので、事故でもない限り大丈夫らしいのだが私は実験中それが気になって気になってしょうがなかった。

 研究棟の中は本当に広い!なんと移動専用に自転車も置いてある。
そんなに広いのか?というわけでまずはもう一人の学生が徒歩で一周‥。20分後、彼は走ってやってきた。「実験に間に合わないかと思った!!」そのくらい広いらしい。次は私が自転車で一周。自転車の高さ程しかないパイプの下をくぐったり自転車一台分の広さの道を通ったりと、もう一周するのはやめようと誓った。









 

 さあ、いよいよ実験開始!と言っても最初の何時間かは解析するための準備にあたる。何せ解析したい試験片は5×10×2mmと小さなもの。そこにX線を誘導する作業など、各装置の位置合わせがとても大変なのだ。

 今回の我々の実験課題は「アルミニウムを接合したクラッド材の界面構造解析」というもので、簡単に言うと鉄とアルミを接合した際に生成された化合物を検出するという実験である。X線を照射するとある入射角および波長によって回折現象が起こる。原子の配列が異なると回折が起こる条件が変わるので、逆に回折したときの入射角と波長が分かればその物質が何か同定できるというわけである。

 少しずつ角度を変えて測定するため、一つの試験片でおよそ2時間かかる。その間に睡魔がなんど襲ってきたことか。交代で夕食をとり、またその数時間後に恥ずかしながら一番寝たはずの私に真っ先に眠気のピークがきてしまい仮眠をとらせてもらうこととなった。

 外は真っ暗、若干雨が降っている。あの日の眠りがここ最近では一番深かったのではないだろうか。そういえばなかなか戻ってこない方もいましたナ。みんなの仮眠が終わると同時に実験も終了!本当にお疲れ様でした。


 最後になりましたが、日下先生、SPring-8坂田先生、大変お世話になりました。




←左・飯塚先生(塑性加工研究学)、奥・日下先生(徳島大学)、右・森田先生



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