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植物の環境応答―都市から宇宙まで―
ヒトを含む地球上のすべての生物にとって、光合成で生産される有機物や酸素は、欠かすことができないものです。植物の光合成によって生産されるエネルギーは莫大であり、人類が消費するエネルギーの7倍以上もあるといわれています。
植物は、一度芽生えたら、その場所から動くことができません。そのため、植物は、環境に対する適応の仕組みを高度に発達させています。光合成は、環境に対して特に敏感に応答します。私たちの研究室では、都市の環境、宇宙の環境など、さまざまな環境に対して、植物がどのように応答・適応するのかを調べています。対象としてきた植物は様々で、コケ植物、シダ植物、草本植物、木本植物など、モデル植物ではない植物も多く研究してきました。
植物の環境応答を研究していると、植物が実に様々な手段を使って、環境に適応しようとしていることが分かります。それは、コケ植物のような数センチしかないような小型の植物でも、数十メートルまで成長する樹木でも同じです。
光合成の環境適応研究が目指すところ
植物の光合成がどのようにして環境に応答し、適応していくのか、そのメカニズムを探ることは、自然界のなぞを解き明かす、という基礎研究的な興味に留まりません。都市の環境に対して適応能力が高い樹木を見出すことができれば、光合成で多くの二酸化炭素を吸収することでカーボンニュートラルに貢献するでしょう。また、大きな樹冠を作って日陰を作ってくれ、「ヒートアイランド」を緩和してくれるかもしれません。また、宇宙環境での植物の環境応答の仕組みが分かれば、宇宙基地などで植物を栽培するときに、役に立つ知識が得られるでしょう。私たちは、植物の環境適応研究を通じて、地球温暖化や都市温暖化などの社会課題解決に貢献し、宇宙農場という夢がある課題に対しても、取り組んでいきたいと考えています。
京都工芸繊維大学