研究内容

原子衝突を用いた表面改質と新物質創製

 宇宙の誕生以来,「原子衝突」を繰り返しながら,原子・分子・物質・生命までもが誕生してきました.我々は,広いエネルギー範囲での原子衝突過程を,イオンビームとプラズマを利用して研究しています.その応用として,低圧プラズマ・低エネルギーイオンビームによる金属ナノ粒子の表面改質および金属ナノワイヤの創製,高速イオンビームによる特殊無機材料表面修飾と表面高機能化に取り組んでおります.
 低圧Arプラズマを利用したAgナノ粒子表面改質の研究は、米国プラズマ発生装置メーカーのホームページで取り上げられております.
高配向性黒鉛のイオンビーム照射前のリップルパターン構造 高配向性黒鉛のイオンビーム照射後のリップルパターン構造

粒子線による物質キャラクタリゼーション

 イオン加速器から得られる高速イオンビームを使って,材料表面層(約1 μm)の組成分析(元素の種類と濃度)や構造評価(結晶構造・結晶性)を行っております.また,イオン加速器を利用することなく,放射性同位体を用いた表面分析技術を開発しています.さらに,X線光電子分光を利用したリアルナノ・サブナノ構造体のサイズ評価法の確立を目指しております.