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Nishida T, Yoshimura R, Nishi R, Imoto Y, Endo Y.
Application of Ultra-High Voltage Electron Microscope Tomography to 3D Imaging of Microtubules in Neurites of Cultured PC12 Cells. J Microsc. 2020 Mar 4;[Online ahead of print]. [IF:1.813(2018)] DOI: 10.1111/jmi.12885
2. Nishida T, Yoshimura R, Endo Y.
3. Nishida T, Yoshimura R, Endo Y.
4. Nishida T, Arii T, Takaoka A, Yoshimura R, Endo Y.
5. Nishida T, Nishikawa Y, Jinnai H, Arii T, Yoshimura R, Endo Y.
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超高圧電顕トモグラフィーによる神経突起バリコシティーにおける 神経成長因子受容体TrkAの三次元分布
○西田倫希, 吉村亮一, 遠藤泰久 (日本繊維製品品質技術センター、阪大・院・生命医、京工繊大・応用生物)
神経細胞の分化誘導因子の一つ神経成長因子(NGF)はチロシンキナーゼ型受容体TrkAと高親和的に結合し、TrkAをリン酸化することで細胞内シグナルを活性化する。その後、NGF-TrkA複合体はエンドサイトーシスにより内在化されリソソームで分解される。本研究は分化培養した神経系培養細胞PC12を使いNGFがTrKA分布に与える影響について検討した。酸性環境下で蛍光を発するキナクリンをNGFと共に投与すると、蛍光シグナルが細胞体とバリコシティー(神経突起に形成される数珠状の膨らみ)に緩やかに集積し、刺激45分後には細胞体全体に強光スポットの分布が見られた。次に電子顕微鏡でNGF刺激後の細胞体とバリコシティーを観察すると、電子密度の増加したリソソームが見られた。またNGF刺激はTrkA陽性バリコシティーの有意な増加を示した。キナクリンとTrkA のバリコシティーへの集積は、TrkA分解が細胞体だけで起こるのではなく神経突起のバリコシティーも関連する可能性を示した。次に超高圧電子顕微鏡を使いバリコシティーにおけるTrkAの細胞内分布を三次元的に解析した。本解析では深さ方向の情報欠損を回避するため支持膜でコートした金グリッド上でPC12の分化誘導を行い、免疫染色した全載標本細胞を観察した。対照区ではTrkA免疫反応はリソソーム内でラメラ様に分布したが、NGF刺激するとTrkAはリソソーム内全体に拡散した。この時、リソソームの一部は互いに融合し、集合体を形成することが三次元解析より明らかになった。以上よりバリコシティーは細胞内外の物質の分解のプラットフォームとしての役割を持ち、ここでのTrkA分解はその後の神経突起のリモデリングなどの局所的な機能化に関係する可能性を示唆した。
神経細胞における軸索ガイド分子受容体プレキシンの超高圧電顕三次元画像解析
発生期の神経細胞において軸索伸長の方向制御に関与するガイド分子受容体の細胞内輸送機構や細胞膜上での局在化機構については未だ不明な点が多い。我々は神経系培養細胞NG108-15が平滑筋培養細胞SM-3に対し接触忌避を起こすことに注目し、ニューロピリンと協調して細胞内情報伝達に関わるプレキシンの局在について,超高圧電子顕微鏡3次元画像解析を行い、成長円錐やバリコシティの一部の膜表面に局在すること、糸状仮足の一部にも存在することを報告する。
Membrane trafficking by NGF and high potassium in differentiated PC12 cells
Distribution and pattern of neuropllin and plexin, receptors of chemorepellent semaphorins, were analyzed in cultured neuronal cell line (NG108) using ultra-high voltage electron microscope. The cells were grown on the grid mesh, immunostained by specific antibodies, contrasted by DAB-Ni-Os, and dried by critical point dryer. 3D tomographic images of growth cones and varicosities showed that neuropllin and plexin were localized characteristically on their surface membrane, but their precise pattern was somewhat different from each other. In the cytoplasm, these receptor proteins were mainly seen in small vesicles. With co-culture of repellent cells, these receptors were translocated from the cytoplasm to specific surface regions of growth cones and varicosities.
3D tomographic image analysis of axonal guidance molecule receptors (neuropllin and plexin) in NG108 cells by UHVEM
Distribution and pattern of neuropllin and plexin, receptors of chemorepellent semaphorins, were analyzed in cultured neuronal cell line (NG108) using ultra-high voltage electron microscope. The cells were grown on the grid mesh, immunostained by specific antibodies, contrasted by DAB-Ni-Os, and dried by critical point dryer. 3D tomographic images of growth cones and varicosities showed that neuropllin and plexin were localized characteristically on their surface membrane, but their precise pattern was somewhat different from each other. In the cytoplasm, these receptor proteins were mainly seen in small vesicles. With co-culture of repellent cells, these receptors were translocated from the cytoplasm to specific surface regions of growth cones and varicosities.
超高圧電子顕微鏡トモグラフィーによる神経成長因子受容体TrkAの局在に関する研究
神経栄養因子は神経細胞の分化、シナプス形成と生存維持に重要な分化誘導因子である。神経栄養因子の一つ神経成長因子(NGF)はチロシンキナーゼ型受容体TrkAに対して高親和的に結合する。神経系培養細胞PC12を使った研究よりTrkAがカベオラ構造に局在する可能性が示唆された。カベオラ構造は形態的には膜陥入構造として非神経細胞で主に見られるが、神経細胞ではこれまで明らかにされていない。しかしカベオラ関連タンパクの発現がPC12細胞だけでなく中枢および末梢神経細胞においても確認されている。本研究はカベオラ関連タンパク質の一つであるカベオリン-1が神経細胞においてもカベオラ構造の形成に関係しているのか、またTrkAと密接に関連するのか、超高圧電子顕微鏡トモグラフィーにより検討した。三次元画像よりTrkAは細胞膜の一部に局在し、カベオラ構造とは異なる陥入構造を形成していた。また、TrkAが局在する細胞膜直下には直径50 nm以下の小胞が見られた。カベオリン-1は網目構造を呈しており、細胞膜よりも細胞質に主に見られた。カベオリン-1が存在する細胞膜にカベオラ陥入構造は見られず、免疫反応が集まりクラスター化していた。脂質ラフトに局在する膜タンパク質の中にはクラスター化するものが報告されており、PC12細胞におけるカベオリン-1の分布と形態学的に非常に類似していた。TrkAもまた細胞膜の一部に局在する点でカベオリン-1と類似していたが、その局在およびサイズはカベオリン-1と異なっていた。従って,分化PC12細胞においてカベオリン-1は脂質ラフトとの関連性が示唆されているが、TrkAの局在には脂質ラフト以外の要因も関連している可能性が考えられた。また、クラスリン被覆小胞とTrkA免疫反応を示した小胞のサイズは異なっていたことから、TrkAの取り込みにはクラスリン依存的なエンドサイトーシスと非依存的なエンドサイトーシスも関係している可能性が示唆された。
PC12 細胞における神経栄養因子受容体 TrkA の細胞内動態
神経系培養細胞PC12は神経成長因子(NGF)受容体TrkAを発現する。前回、超高圧電顕三次元画像解析よりTrkAが細胞膜の一部に局在することを明らかにした。今回、蛍光物質キナクリンを使いNGF刺激に対する細胞膜上のTrkAの動態を検討した。刺激直後より強い蛍光が主にバリコシティに見られ、刺激30分後からは細胞核周辺に見られた。これらの結果から、突起に由来するTrkAが核周囲に輸送され何らかのシグナル伝達を行っている可能性が示唆された。
PC12細胞における神経栄養因子受容体の局在:膜タンパクの三次元構造解析
Localization of neurotrophin receptors TrkA in PC12 cells: 3D reconstruction analysis of membrane proteins
It was previously reported that TrkA (NGF receptor) was associated with caveolae, small invaginations on the cell membrane, but its subcellular localization is not clarified in detail.....
マウス小脳スライス培養系における神経栄養因子受容体の細胞内局在
神経栄養因子とその受容体 Trk ファミリーは、ニューロンの発生、分化、生存維持に重要な役割を果たす。しかし、受容体の正確な局在は未だ不明である。これまで我々はマウス小脳スライス培養系を用い、ウェスタンブロットおよび免疫組織化学により p75, TrkA, TrkB の発現と局在について調べた。今回はtrkBの免疫反応をもつ神経突起を超高圧電子顕微鏡で傾斜撮影し3次元構造の再構築を行い、より詳細な局在を確認した。また培養スライスへの脳由来神経栄養因子(BDNF)投与の効果について報告する。
PC12細胞における神経栄養因子受容体TrkAの局在:超高圧電顕3次元構造解析
前大会で神経成長因子受容体(TrkA)がPC12細胞膜状でクラスター状の陥入構造を形成することを示した。TrkAの局在をより詳細に調べるため今回カベオリン-1(カベオラ関連蛋白)とクラスリンの局在をIMOD(3次元再構築ソフト)で解析した。カベオリン-1免疫反応はPC12細胞膜上でカベオラ構造を示さなかったがTrkAと類似した陥入を示した。また両者は細胞質内で非常によく似た網目構造を形成しており、これらは細胞骨格と相互作用している可能性が示唆された。
マウス小脳スライス培養系における神経栄養因子受容体の細胞内局在
神経栄養因子とその受容体 Trk ファミリーは、ニューロンの発生、分化、生存維持に重要な役割を果たす。しかし、受容体の正確な局在は未だ不明である。マウス小脳スライス培養系を用い、ウェスタンブロッティングおよび免疫組織化学により p75, TrkA, TrkB の発現と局在を調べた。p75 の免疫反応はプルキンエ細胞に、TrkA と TrkB はプルキンエ細胞と顆粒細胞にみられた。電顕レベルでは TrkB がプルキンエ細胞の細胞膜、樹状突起、小胞などに局在することが明らかとなった。
神経栄養因子受容体の細胞内構造:超高圧電顕トモグラフィー
最近、神経成長因子受容体(TrkA)が細胞膜陥入構造であるカベオラに関連すると報告されたが、詳細な形態学的局在は明確でない。PC12 細胞を用い免疫電顕および超高圧電顕による三次元立体再構築により TrkA とカベオリン1(カベオラ関連蛋白)の細胞内局在を調べた。両者の免疫反応は一部の小胞膜で共存がみられたが、必ずしも一致せず、TrkA 免疫反応は主にカベオラと異なる細胞膜陥入構造が多数集まりクラスターを形成する部位に局在していることが明らかとなった。
神経栄養因子受容体 TrkA はカベオラに局在するか?
神経成長因子に対するチロシンキナーゼ型受容体(TrkA)は、神経系培養細胞 PC12 における最近の研究で、膜ドメインの一つであるカベオラに局在していると報告されているが、詳細な形態学的局在は明確でない。本研究では PC12 細胞を用いウェスタンブロットおよび免疫電顕により TrkA およびカベオリン1の細胞内局在を調べた。両者の免疫反応は、細胞膜、カベオラ、小胞などに局在したが、カベオリン1の免疫反応はいくつかの小胞の集積にみられ、TrkA では散在していた。
神経系培養細胞 NG108 におけるアンジオテンシン受容体の発現
我々は、神経系における1型アンジオテンシン受容体(AT1)の局在を明らかにするために、培養細胞 NG108-15 を用いて、細胞外及び細胞内領域を認識する2種類の抗体(AT1-N10, AT1-306)により免疫細胞化学を行い、蛍光顕微鏡及び共焦点レーザースキャン顕微鏡で観察した。その結果、分化・未分化細胞ともに AT1 は細胞膜全体に均一に存在しているのではなく、細胞膜上のいくつかの部位に密集して存在していることが確認された。
Subcellular localization of angiotensin receptor in NG108-15 cells
To clarify subcellular localization of type 1 angiotensin receptor (AT1) in nervous system, we performed immunocytochemistry with two antibodies that recognize extra- or intracellular region of AT1 in NG108-15 cells. Fluorescent and confocal microscopy showed that, using antibody that recognize extracellular region of AT1 in NG 108-15 cells, AT1 was not localized uniformly throughout the cell membrane, but was localized densely only on some regions of cell membrane in both differentiated and undifferentiated cells.
ラット脳内アンジオテンシン受容体の細胞内局在
現在知られているアンジオテンシン II(AII)の中枢作用の多くは1型受容体(AT1)を介することが報告されているが、受容体の細胞内局在に関する詳細は不明である。我々は、抗 AT1 抗体を用い、光学顕微鏡および電子顕微鏡レベルで免疫組織化学を行い、ラット脳内の神経細胞における AT1 の細胞内局在について検討した。視床下部室傍核、視索上核において AT1 免疫陽性反応は神経細胞内の顆粒状構造として認められ、ゴルジ装置などの細胞小器官に局在していた。
Subcellular localization of angiotensin receptor in rat brain
Renin-angiotensin system (RAS) in the brain as well as periphery plays a role in cardiovascular regulation. To clarify the site of action of RAS in the central nervous system, we localized the angiotensin type 1 receptor (AT1) in rat brain at subcelular level. In many neurons located in the supraoptic, and the paraventricular hypothalamic nuclei, AT1-like immunoreactivity was observed in cytosolic granular organelles such as Golgi's apparatus and lysosome.
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