<学会発表要旨>
成体および新生マウス小脳におけるSox2発現細胞
Sox2-positive cells in the adultand neonatal mouse cerebellum slice culture

 ○初鹿野徹、吉村亮一、遠藤泰久(京都工繊大・院工芸科学・応用生物)

 マウス小脳において、発生初期に発生する転写因子Sox2の免疫組織化学を行うと、プルキンエ細胞層とそこから軟膜へ伸びる突起が染まることから、バーグマングリアが神経幹細胞の候補と考えられている。本研究では、Sox2免疫陽性細胞の構造を光顕および電顕で明らかにした。また、血管内皮細胞は幹細胞の増殖、維持、分化に関与することが示唆されているが、小脳スライスと共培養した結果、Sox2免疫陽性細胞の増殖や小脳皮質の層構造の形態維持に影響を及ぼすことがわかった。
     日本動物学会第82回大会(2011年09月21-23日、大雪クリスタルホール・旭川)

 

マウス成体脳における神経幹細胞のスライス培養による検討
Neural stem cells in slice culture of cerebrum and cerebellum of adult mice

 ○竹中絵里子、矢里優衣(京都工芸繊維大学大学院応用生物学専攻)

 哺乳類の成体脳に神経幹細胞様集団の存在が示唆されており、側脳室の脳室下帯と海馬の歯状回領域で同定されている。近年の報告で小脳でもその存在が示唆されているが、それらの細胞学的性状や増殖分化の仕組みについては不明な点が多い。本研究では、新生および成体マウスの大脳と小脳スライス培養系を用い、幹細胞様細胞をネスチン抗体で同定するとともに、それらの分化や増殖に血管内皮細胞が関与しているかどうかについて、混合培養系を用い検討した結果を報告する。
     日本動物学会第79回大会(2008年09月05-07日、福岡大・福岡)