研 究

研究展望

  我々の研究室では、有機合成化学、有機金属化学、ヘテロ元素化学、物理化学、分子集合体化学、液晶科学を基盤にして、発光機能、電荷輸送機能、液晶性などの機能を性能良く発揮する有機低分子、高分子、および超分子の創製に取り組んでいます。研究テーマは、大別すると以下の4つに分類されます。

(1)標的とする機能性分子を効率よく合成する有機合成反応、反応剤および合成戦略の開発

(2)分子凝集状態での高効率発光を特徴とする有機発光材料の設計、合成、評価と機能開発

(3)高速電荷輸送性を発揮する有機半導体材料の開発

(4)異方発光性を特徴とする複合液晶材料の開発


 有機合成法の革新をめざすテーマ(1)と機能性分子の創製という研究テーマ(2)〜(4)は、一見それぞれ関係ないように見えますが、我々の研究活動ではこの両者は密接につながっています。というのも、新しい合成法が開発されると、そのおかげで従来の有機合成法では手にすることのできなかった(あるいは手にすることがとても難しかった)化合物群が簡単に入手できるようになります。つまり、新合成法によって分子設計の可能性が大きく拡がるのです。また、独自の着想によって新しい機能性分子を設計しても(着想しても)、現在知られている有機合成法では簡単に合成できない場面にしばしば遭遇します。そのような場合には、新しい分子設計に応えるための反応・合成法開発が必要になり、そのことが合成法開拓の研究に新しいテーマを与えてくれることになります。このように、我々の研究室では、合成法の革新と機能性分子の創製を両輪にして研究を展開しています。

これまでの主な研究成果

最近の研究発表・学術出版