研究室配属の案内
(H.NISHIDA's Lab.)



Home 研 究 内 容
スタッフ&メンバー
写 真 館
ギャラリー
リ ン ク
English


本計算工学研究室を簡単に紹介しますので,新4年生及び新大学院生が研究室配属先を決定する際の参考にしてください.

研究室の教員です

教授:西田 秀利 (居室;10号館5階508B)
西田(秀)へのメール
専門分野;計算力学,シミュレーション工学
学部授業科目;流体力学U及び演習,計算力学
博士前期課程授業科目;工業解析力学


准教授:田中 満 (居室;10号館5階506B)
田中(満)へのメール
専門分野;乱流工学,伝熱学,流体力学
学部授業科目;工業力学U
博士前期課程授業科目;流体力学特論


助教:田尻 恭平 (居室;10号館4階408)
田尻へのメール
専門分野;計算スキーム,流体力学
学部授業科目;機械工学実験,ソフトウェア演習
博士前期課程授業科目;-

質問・疑問等は気軽にメールで問い合わせてください.

どんなことをしている研究室?

コンピュータ資源を有効に利用するための所謂「賢い計算」である「スマート・コンピューティング」を目指し,計算工学研究室においては,ロバストでインテリジェントな高精度・高効率・高汎用性シミュレーション手法の開発及び応用に関する研究を,主として連続体流動現象を対象として行っています.
一部を紹介すると以下のような研究を実施しています.

* デカルト座標系による複雑流動現象の解析手法の開発に関する研究:
通常,複雑な形状を有する流動現象を正確に捉えるためには,その形状に適合した座標系を設定して数値シミュレーションを実施する必要があります.しかしながら,形状が複雑になるに従い適合した座標系を設定することに非常に時間がかかってしまいます.そこで本研究室においては非常に単純なデカルト座標系上で流路境界条件(例えば,滑り無し条件)を満足するように基礎方程式(ナビェ・ストークス方程式)に外力項を付加するシームレス仮想境界法仮想流束法を開発し,これらの手法を用いることによって,デカルト座標系で複雑流路の流動現象を解析することを試みています.

2次元円柱まわりの圧力分布

広領域表示(カルマン渦の発生が見られます)


* 環境予測シミュレーションに関する研究:
地球温暖化が声高に言われている昨今ですが,そのために異常気象や湖沼・海洋の異変が頻繁に観察されるようになって来ています.これらの異常現象をシミュレーションによって的確に予測することは対策を立案する上でも重要になりつつあります.そこで本研究室においては主として近畿の水瓶といわれている琵琶湖内の流れに対してシミュレーションを実施し,河川からの流入量や夏季・冬季の水温の変動が循環流に及ぼす影響に関して研究を行っています.

琵琶湖内流れの計算結果(左より,圧力分布,速度ベクトル線図,渦度分布)


* 移動境界現象適応シミュレーション手法の開発に関する研究:
物体が移動変形するような現象,例えば,人間が歩行するor魚が遊泳するetc.,を解析するための手法の開発及び開発した手法を用いた応用研究を行っています.

魚類遊泳モデルの圧力分布1

魚類遊泳モデルの圧力分布2


* 気泡や液滴による物質混合の促進に関する研究:
流体中に気泡や液滴が存在する場合に,どのような物質移動(熱輸送や混合)が起こるのかを解明することに主眼を置いて研究を行っています.

気泡まわりの流体線伸張






液滴内部の混合の様子


* 雑音及びデータ欠落領域を含む速度場再構築手法に関する研究:
通常,実験において得られた速度場は何らかの雑音を含んでいます.また,実験結果が妥当ではなく,ある領域のデータが欠落してしまう場合もあると考えられます.実験結果と数値シミュレーション結果を相互にリンクするためには,雑音を除去し,欠落したデータを修復する必要があります.そこで雑音を含んでいたりデータが欠落していたるする速度場から非圧縮性速度場を再構築する研究を行っています.この研究により,実験とシミュレーションとにおいて相互に結果をフィードバックすることが可能になり,より正確な現象の解明につながると考えられます.

ターゲットの速度場

3%の雑音を含んだ速度場

再構築後の速度場


* 高精度シミュレーション手法の開発に関する研究:
流動現象には皆さんもご存知のように層流と乱流があります.我々の身のまわりの現象はほとんどが乱流であると考えて差し支えなく,これを正確にシミュレーションすることが必要となります.より正確なシミュレーションを実施するためには,モデルの精度や解像度を上げるか数学的な解析精度を高めることになります.そこで本研究室では高い解析精度を持つシミュレーション手法の開発及びその応用を行っています.

一様等方性乱流の高次精度シミュレーション結果


* 並列型コンピュータ適合流動解析手法の開発に関する研究:
コンピュータの現状を眺めると,パーソナルコンピュータにおいてもCPU(Core)が複数搭載されたマシンを手軽に購入することができるようになっています.この様な複数のCPUを搭載した並列型コンピュータの性能を最大限引き出すためには,シミュレーションを複数のCPUで効率的に実施する必要があります.例えば,理想的には2個のCPUを用いると計算時間が半分になるはずです.そこで,並列型コンピュータに適合した流動解析手法の開発を行っています.

Pilot-3(筑波大学)での並列化効率

SSCMPP(日本原子力研究開発機構)での並列化効率


2019年度卒業研究予定テーマです

2019年度は以下のテーマで卒業研究を実施する予定にしています.
(あくまで予定ですので,その点はご了承ください.)

(1) デカルト座標系におけるインテリジェントかつロバストな複雑流動現象解析手法の開発に関する研究
(2) 琵琶湖内循環流予測や風況予測等の環境予測シミュレーションに関する研究
(3) 魚類の遊泳等の物体が移動・変形する移動境界現象に適応する解析手法の開発に関する研究
(4) 実験とシミュレーションとの相互リンクを可能にするための速度場再構築手法に関する研究
(5) 相変化を伴う非圧縮性流動現象のインテリジェント解析手法に関する研究
(6) 気泡や固体粒子による乱流変調の数値シミュレーション
(7) 乱流の数値解析手法に関する研究
(8) 混相流計算の高効率化に関する研究

こんな学生大集合!!!

研究室に配属され各々の研究テーマが決定すると,いよいよ研究がスタートします.研究とはそもそも答えが有って無いようなものですから,最初どのように進めていくかは教員が指示しますが(練習問題的なものになると思います)それ以降はテーマについて自分自身でしっかり興味を持って積極的に考えることが必要になります.従って,最初の課題をクリアしたときにYesマンでは困ります.疑問な点があれば素直に聞いてください.そして,学生同士や教員とのディスカッションができることが求められます.私の経験からいっても学生さんとのディスカッションから新しいものが生まれることは往々にしてあることです.また,当然,スムーズに研究が進行するはずはありません.行き詰ったときにはへこたれずに忍耐強く取り組むことが大事になります.そうすると解決の糸口は見えてくるものです.これらの素養は社会に飛翔してからも益々大切なものになると思います.

従って,計算工学研究室では成績が良いのに越したことはありませんが(成績が良いことと頭が良い−理解力がある・考えが柔軟であるetc.−とは必ずしも一致しないと思っています),上で述べた素養があるorそんな素養を身に付けたいと強く考えている学生を募集します.

最後に一言

学部生であれば1年弱卒業研究を行うことになりますが,この短い期間でまとまった研究をすることは非常に困難です.やっと研究が面白く感じる頃に卒業することになってしまいます.そこで,大学院博士前期課程への進学を強く勧めます.本学は高度技術者の育成を目指しており博士前期課程(修士課程)の2年間を通して上で述べた素養をしっかりと身に付けてもらいたいと思っています.是非,大学院へ進学して本当の研究の面白さを体感してください.また,学部で就職する人も計算工学研究室で楽しくしんどい研究を体験してみてください.さらに,大学院生でもより深い研究がしたい場合,博士後期課程(博士課程)への進学を勧めます.過去にも本研究室に博士課程の学生が在籍しており,立派な学位論文を仕上げています.
兎にも角にも,計算工学研究室で我々教員や大学院生の先輩と一緒に思いっきり研究をしてみましょう.


Home 研 究 内 容
スタッフ&メンバー
写 真 館
ギャラリー
リ ン ク
English