Seeds
Physiology of development and germination (Bewley JD and Black M)

2. Seed development and maturation

2002年3月12日 担当:はんば

2.1 Embryogeny and strage tissue formation

2.1.1 Morphological changes

<針葉樹の胚発達>Fig.2.1

雌の配偶体の中に卵核がランダムに存在→花粉管から放出される配偶体と受精
→接合体が分裂してフリーの核を複数形成,その周辺に前胚ができる→さらに分裂して胚と胚柄細胞ができる
→4つの胚と伸長した胚柄になる→そのうち1つの胚だけが発達,大配偶体は分解して胚が伸長する空間
ができ,大配偶体の残った部分に油脂やスターチなどの養分が蓄えられる.葉柄は消滅する

<被子植物の胚発達>Fig.2.2

2つの雄核が関与.1つの雄核は卵核と融合して2倍体の接合体,もう一つの雄核は極核と
融合して3倍体の細胞核を形成.
接合体の先端部の細胞から胚が形成され,基部の細胞からは胚柄が形成される.

細胞核からは内胚乳ができる(被子植物のみ).内胚乳からは,胚の発達や発芽に必要な
養分が供給される.内胚乳には2つの発達パターンがある

1)細胞壁が形成される前にフリーな核の分裂がある(リンゴ,コムギ,オオムギなど)
2)フリーな核があらわれる段階がない(モクレン属など)

2.1.2 Regeneration of development

胚発生時には20000の遺伝子が発現しており,少なくともその20%が発達に関与しているとされている.
しかし,種子形成と初期発達の調節についてはほとんど分かっていない.
トウモロコシの変異体を使った研究により,胚発達のいくつかの段階に関与する遺伝子が特定されている.

2.2 Source of assimilates for grain and seed filling

2.2.1 Cereals

穀粒の発達には,穀粒の拡大(細胞伸長)と穀粒のとう熟(炭水化物などの蓄積)の2段階がある.

炭水化物の量は,開花期の前後に,親植物の栄養生長部分で最大になり,
穀粒に転流される(穀粒の乾重の15−20%).
穀粒の窒素のおよそ90%は,開花前までに再転流によって蓄積される.

<穀粒の発達に関係する部分>
オート麦,コメ:止め葉と2番目の葉.止め葉は穂よりもあとに黄変する(穀粒の発達に関係しているため)
トウモロコシ:穂よりも上の部分の葉
コムギ:とめ葉(小穂の下部)と穂(小穂の上部).穂は止め葉よりもあとに黄変する(穀粒の発達に関係しているため)

穀物の生産性には穀粒の発達に関係する部分の光環境が大きな影響を与える.

2.2.2 Legumes

開花前の窒素や炭素を種子に転流する場合と,開花後のものを利用する場合,およびその中間タイプ
がある.

ルピナス:開花後も光合成産物は根や葉,根粒に転流され続ける.炭素や窒素は栄養生長している部分からの再転流.種子の窒素の75%は,開花後の窒素固定によって得られる.

ササゲ:開花後は光合成産物は地下部に転流しなくなり,落葉する.種子の窒素の69%は開花前に固定されたものであり,葉身のタンパクから転流される.

マメの鞘の炭素供給源は,発達段階によって変化する.
初期:鞘とその近くの葉身
中期〜後期:鞘が付いている節以外からの供給が増加