炭素安定同位体を利用して植物の葉内のCO2拡散コンダクタンスを測定する方法について解説します。炭素安定同位体については炭素安定同位体の章を参照して下さい。何かご意見やご質問がありましたら半場までメールでご連絡下さい。
測定システムは、メーカーから購入した既製品の測定装置に、特注品としてメーカーに製作を依頼したいくつかのパーツを組み合わせて製作しました。大きく2つのパートに分かれています。
(1)光合成測定(右側) (2)CO2収集(左側)
光合成測定装置を自作するにあたっては、各パーツの材質を考慮することと、測定機器を信頼できるメーカーから購入することが重要です。細かいノウハウについては Pearcy et al. (ed.) Plant Physiological Ecology (filed methods and instrumentation) 2000, Kluwer Academic Publishers に詳しく掲載されています。
光合成を測定するためには、葉をチャンバに挟んでCO2吸収量と蒸散量を赤外線ガス分析計(LI6162, Li-Cor)で測定します。葉に送る空気の量や湿度、また葉の温度を適当な値に制御します。
屋外から大気を露点発生器(Li-610, Li-Cor)を介して吸引しソーダライム(およそ800g)を通してCO2を取り除きます。CO2フリーの空気に、10%のCO2を含んだガスボンベから供給されるCO2を混合し、マスフローコントローラー(CR700, KOFLOK)でCO2濃度と流量を調節してチャンバに供給します。空気中の水蒸気量は露点発生器(Li-610, Li-Cor)で調節します。
恒温循環槽(UA-100, Eyela)で温度調整した水をチャンバ下部の水槽に通すことによって調整します。
高輝度LEDランプ(LEDRB-630DL,オプトコード)を使用しています。
熱電対の一方を氷水中にセットし、もう一方を葉の表面に触れるようにセットします。
空気の流量や露点、葉温、赤外線ガス分析計で測定したCO2量と水蒸気量はすべてデジタル式の記録計(MV100、横河電機)でモニターします。
左側のCO2収集装置(真空ライン)は、パイレックスガラス製の特注品です(光信理化学製作所に製作を依頼)。 真空ポンプ(GLD-050, Sinku Kikou)を常時稼働させます。ラインの真空度はピラニゲージ(model 937, MKS instruments)でモニターします。
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上記の測定装置を使った光合成・拡散コンダクタンス測定の手順を紹介します。マニュアルは ここからダウンロード してください。2016年10月に更新しています。
上記の測定装置を使った光合成・拡散コンダクタンスの計算方法を説明します。光合成測定のマニュアルは ここからダウンロード してください。拡散コンダクタンスの計算のみのマニュアルは ここからダウンロード してください。2016年10月に更新しています。